ペニスの悩み

性病の症状・検査

std

性感染症の不安はひとりで悩んでしまいがちですが、命にかかわる性感染症もありますので、必ず検査をすることが必要です。病院などで検査する方法のほかに、匿名や無料で検査できる方法をご紹介します。

性感染症の発生に大きくかかわる8種類の病原体による性感染症は、根本的な治療ができる場合とできない場合があります。

梅毒、淋菌感染症、性器クラミジア感染症、トリコモナス症は薬により根本的に治療することができる病気といってよいでしょう。

HIV感染症、性器ヘルペス、ヒトパピローマウイルスによる尖圭コンジローマ、B型肝炎の場合は、薬で根本的に治療できるわけではありませんが、症状や病気そのものを軽くすることはできます。

ほとんどの病気は放置しておくと悪化し、病気によっては死亡に至ることもあります。また、性行為を行うことで、他の人に病気をうつしてしまうことにもなりかねませんので、必ず治療を受けることが必要です。

疾患の多い8種類の性感染症の概要

HIV感染症・AIDS

【病気の原因】

HIV感染症は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した状態をいいます。性行為での感染は1%程度で、膣性交での感染はコンドームで予防可能です。

出産時に感染していると母から子どもへ20~30%の割合で感染すると考えられています。

【病気の経過】

HIVに感染すると、「2~6週間」の間にかぜに似た症状(発熱、リンパ節のはれ、のどの炎症、皮膚の発疹、筋肉痛や関節痛、頭痛、下痢、吐き気、嘔吐)があらわれます。

その後、いったん症状はなくなり、数年から十数年の症状があらわれない期間が続きます。

さらに免疫が極端に落ちて免疫不全になるのが「後天性免疫不全症候群(AIDS)」の状態で、重篤な感染症にかかりやすくなります。AIDSになると死亡率は10~20%といわれています。

 

【病気の検査】

検査の方法により、思い当たる性行為から「2週間」たつとできる検査や、「3か月」を過ぎるとできる検査がありますが、3か月後の結果を待って感染しているかどうかは判断するようにします。

血液をとって検査を行います。

 

【治療】

以前は死に至る病気と恐れられていましたが、現在では薬を飲むことで症状があらわれない期間を延ばすことができ、薬を飲み続ければ、HIVに感染していない人と同じぐらい長生きできるようになりました。

治療をしてもHIVが体の中からいなくなるわけではありませんので、他の人に移さない配慮を続けることが必要です。

治療をしないと症状は悪化していきます。

 

梅毒

【病気の原因】

梅毒は、梅毒トレポネーマという菌に感染しておこる病気です。性行為での感染や母子感染が知られています。

膣性交ではコンドームによる予防がすすめられますが、コンドームでおおわれていない皮膚から感染することもあるため、100%予防できるわけではありません。

 

【病気の経過】

梅毒トレポネーマに感染すると、「約3週間」で最初に菌が入った箇所(性器のまわり、口、肛門など)に小豆から人差し指の先ぐらいの大きさの軟骨のような硬さのしこりができ、足の付け根もはれてきます。

これらは2~3週間たつと消えます。ただし症状がまったく出ない場合もあります。

次に症状が出るのは感染後「3か月」です。全身に淡い紅色の斑(バラ斑)が出て数週間で消えていきます。少しもりあがった赤褐色の発疹が出たり、のどの扁桃を中心に赤くなったりただれたりすることもあります。

感染後「3年以上」たつと、結節や皮下組織にゴム腫ができたり、神経梅毒になって人格の変化や知能の低下があらわれたりします。さらに進むと大動脈炎などがあらわれることがあります。

 

【病気の検査】

思い当たる性行為から「3週間」たつと検査ができます。血液をとって検査を行います。

 

【治療】

薬を飲むことで根本的な治療ができる病気です。思い当たる性行為から3週間後であれば、薬は2~4週間、3か月後であれば4~8週間、3年後であれば4~12週間必要ですので、感染してから早い時期に治療を始めれば始めるほど、治療期間は短くてすみます。以前は治療ができず、顔がくずれるほどの患者さんもいたのですが、いまは治療をしさえすれば、そこまで症状が悪化することはありません。

 

淋菌感染症

【病気の原因】

淋菌感染症は、淋菌に感染した状態をいいます。性行為による感染率は30%ほどで、決して低くはありません。

膣性交での感染はコンドームで予防可能です。出産時に母から子どもに感染すると、子どもの目に淋菌性結膜炎をおこすことがあります。

 

【病気の経過】

淋菌に感染すると、男性では「2~7日間」で尿道から多量の黄白色の分泌物や痛みがあります。女性では、おりものの増加や不正出血がありますが、症状がない場合も少なくありません。

さらに男性では尿道から精管をとおって精巣上体まで感染がひろがり炎症がおこり、歩きにくくなったり熱が出たり、無精子症になることもあります。女性では尿道や子宮のまわりにまで感染し、子宮外妊娠や不妊症にもつながります。

 

【病気の検査】

思い当たる性行為の「3日後」から検査ができます。男性では尿道分泌物、女性では子宮からの分泌物を検査します。

 

【治療】

1回の注射や飲み薬で根本的な治療ができます。治療をしないと、症状は悪化していきます。

 

性器クラミジア感染症

【病気の原因】

性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスという細菌(以下、クラミジア)が感染した状態をいいます。

性行為により感染し、膣性交での感染はコンドームで予防可能です。母子感染も知られています。日本でいちばん患者さんの数が多い性感染症です。

 

【病気の経過】

クラミジアに感染すると、感染後「1~3週間」で、男性では尿道のかゆみや排尿時の軽い痛みなどを感じるようになります。

女性ではおりものの増加、不正出血、下腹部の痛み、性行為痛があらわることが多いのですが、約半数以上は自分で症状を感じるほどではありません。

その後、子宮のまわりにも感染し重症の肝臓周囲炎がおこることがあります。また不妊症になることもあります。口腔性交を行った場合は、のどに感染することがあります。

 

【病気の検査】

思い当たる性行為の「3日後」から検査ができます。

男性では初尿、女性では子宮からの分泌物を検査します。のどの粘膜をぬぐって検査をすることもあります。

 

【治療】

1回の飲み薬で根本的な治療ができます。治療をしないと症状は悪化していきます。

 

性器ヘルペス

【病気の原因】

性器ヘルペスは、性器にぶつぶつや水ぶくれをおこす種類のヘルペスウイルスに感染しておこる病気です。性行為で感染します。

膣性交ではコンドームによる予防がすすめられますが、再発するとお尻や太ももにも症状が出ますので、コンドームで100%予防できるわけではありません。

出産時に性器に症状が出ていると母から子どもに感染することがあります。

 

【病気の経過】

ヘルペスウイルスに感染してから「2~10日間」がたつと、男性では亀頭や陰茎がかゆくなり1~2 mmの水ぶくれがいくつかできます。

女性では、大小陰唇から会陰のあたりに水ぶくれやただれができてきます。これらは2~3週間でおさまります。

再発すると、お尻や太ももにも水ぶくれやただれがあらわれますが、1週間ほどでおさまります。

 

【病気の検査】

ヘルペスの検査は医師がみて判断するのが一般的です。

 

【治療】

薬を5日間飲むことで、症状がおさまるまでの期間を2~3週間から1~2週間に短くすることができます。

薬を飲んでも体の中にいるウイルスをすべてなくすことはできないため、根本的に治療できるわけではありません。そのため、他の人に移さない配慮を続けることが必要です。

 

尖圭コンジローマ

【病気の原因】

尖圭コンジローマは、性器にイボをつくるヒトパピローマウイルス(HPV)が感染しておこる病気です。

性行為により感染しますが、コンドームを用いても感染を防ぐことができるとは限りません。性行為の相手と一緒に治療が必要な病気です。

出産時に母から子どもに感染すると、子どもに呼吸困難がおこることがあります。

 

【病気の経過】

感染しても急に症状を感じることはありませんが、「3週間から8か月」たつと「鶏のトサカ」や「カリフラワー」のような特徴的なイボができてきます。

感染をほうっておくと、陰茎がんや子宮頸がんの原因になるといわれています。

 

【病気の検査】

尖圭コンジローマの検査は医師がみて判断するのが一般的です。

 

【治療】

イボの大きさが数mmで数が少ない場合には、塗り薬で16週間まで治療することができます。液体窒素(-196℃)を綿棒に含ませてイボに押し当てて取り除く凍結療法では治療に数週間かかります。

イボの大きさが1 cm超、数が多い場合には、レーザー光線や、電気メス、はさみで切除することになります。治療をしないと、症状は悪化していきます。

 

トリコモナス症

【病気の原因】

トリコモナス症は、膣トリコモナス原虫が感染しておこる病気です。

性行為で感染しますが、下着やタオル、浴槽を通じた感染もあります。性行為の相手と一緒に治療をすることが必要な病気です。

 

【病気の経過】

感染から「10日前後」で、男性では尿道炎がおこりますが、症状は消えることが少なくありません。

女性では、半数程度の人で、泡状の悪臭の強いおりものの増加や外陰部や膣の刺激やかゆみを感じるようになります。

 

【病気の検査】

男性では初尿、女性では膣分泌物を検査します。

 

【治療】

薬を飲むことで、根本的な治療ができます。治療をしないと症状はよくなりません。

 

B型肝炎

【病気の原因】

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)が感染しておこる病気です。

肝臓の炎症(肝炎)をおこし、肝硬変や肝がんに進展するとされています。性行為で感染することがあり、母子感染も知られています。

【病気の経過】

感染してから「2~6週間」が潜伏期で、さらに「2~3週間後」に、倦怠感、食欲不振、赤褐色尿などの症状があらわれますが、多くの場合は自然に症状が軽くなります。ただし、1%以下の患者さんでは症状が重くなっていきます。

 

【病気の検査】

血液検査を行います。

 

【治療】

慎重に経過を観察します。症状が重くなる場合には抗ウイルス薬も使われます。

B型肝炎の予防にはHBワクチンが有効ですので、HBVをもっている人と結婚する場合や、HBVをもっている妊婦から生まれる子どもには、HBワクチンの接種がすすめられています。

 

性感染症全体の最近の日本の感染傾向

性感染症は性行為により病原体に感染してかかる病気ですが、WHO(世界保健機関)1によると、性感染症の発生に特に大きくかかわる病原体は8種類〔梅毒トレポネーマ、淋菌、クラミジア、トリコモナス原虫、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、単純ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)、B型肝炎ウイルス(HBV)〕とされています。

いま日本では、性感染症のうち「梅毒」が問題になっています。かつて減少してきたにもかかわらず、近年、増加傾向が著しくなっているためです。

このような動向がわかるのは、性感染症について、継続して調査が行われているからなのですが、さまざまある性感染症のなかから、日本では、感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に基づいて、特に注意が必要な6種類の性感染症が選ばれています。その6種類とは、後天性免疫不全症候群(エイズ。AIDS)、梅毒、淋菌感染症、性器クラミジア感染症、性器ヘルペス、尖圭コンジローマという性感染症です23

梅毒と後天性免疫不全症候群については、医師は診察したすべての症例について、性別・年齢・症状・検査方法・感染経路・感染地等を報告しています。

その他の4種類については、全国で約1000か所の医療機関で医師が診察した症例について報告されています。

これらから、日本での発生動向がわかるようになっているのです。

 

後天性免疫不全症候群(AIDS)の発生動向

後天性免疫不全症候群(AIDS)は、HIV感染症というHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した状態から、さらにエイズ指標疾患の症状があらわれるようになった状態をいいます。

平成27年(2015年)のHIV感染者とAIDS患者をあわせた新規報告数は1434件(HIV感染者1006件、AIDS患者428件)で、平成20年(2008年)以降は横ばいです4

放置すると免疫が落ち他の感染症を発症して死亡につながる病気ですので、必ず治療が必要な病気です。早期に抗HIV薬を開始すれば、HIVに感染していない人と同じぐらい長生きすることができるようになりました。

 

梅毒の発生動向

梅毒は昭和40年以降、減少していましたが、近年、患者数が増えつつあります。日本での報告数は、近年では平成17年(2005年)に509件と最も少なかったのですが、次第に増減しながら、平成22年(2010年)の621件以降は、平成28年(2016年)の4559件まで年々報告数が増え、問題になっています3。自然に治ることはなく、放置すると脳や心臓の症状で死亡することがありますので、必ず治療が必要な病気です。薬による治療で、重症の患者さんは見られなくなりました。

 

淋菌感染症・性器クラミジア感染症・性器ヘルペス・尖圭コンジローマの発生動向

全国約1000か所の医療機関での報告件数によると、淋菌感染症・性器ヘルペスは横ばい、性器クラミジア感染症は男性で横ばい・女性で微減、尖圭コンジローマは男性で微増・女性で減少傾向になっています3

 

性感染症全体の最近の世界の感染傾向

世界の性感染症の動向は、WHO(世界保健機関)がとりまとめて発表しています1。2016年の発表によると、世界では毎日100万人以上が性感染症にかかっています。1年に計算しなおすと、およそ3億6500万人を超える人が新たに性感染症にかかっていることになります。世界の人口は国際連合による推計5ではおよそ73億8000万人(2015年)ですから、毎年世界で100人あたり5人が新たに性感染症にかかっているといえるでしょう。

国連合同エイズ計画(国際連合)6によると、HIVの感染者数(2016年)は3670万人とされています。また、WHOは感染者数(2016年)を、梅毒(560万人)、淋菌感染症(7800万人)、性器クラミジア感染症(1億3100万人)、性器ヘルペス(5億人以上)、ヒトパピローマウイルス感染症(2億9000万人以上の女性)と発表しています。

性感染症は世界中で発生していますが、治療や予防の取り組みは世界中で同じわけではありません。取り組みが積極的でない地域では、感染している人が次第に増えていきます。たとえば、HIV感染症や後天性免疫不全症候群(AIDS)は、日本の累計患者・感染者数は約2万6000人弱4で現在の人口の約0.02%ですが、アフリカ大陸の南部の国々では人口の5%以上の人がかかっています。現在、サハラ以南のアフリカ、ロシア、アジア、中南米の一部の地域で流行しているとされています7

 

 

性感染症の感染経路

性感染症は、性感染症の病原体をもっている相手との膣性交、フェラチオやクンニリングスといった口腔性交(オーラルセックス)、肛門性交(アナルセックス)により、感染することがほとんどです。

性感染症を防ぐのに一番確実な方法は、病気をもたないパートナーとだけ性行為を行うことですが、年齢が高くなるにつれ性行為の経験人数は増えていくことが多いので、現実的ではないかもしれません。ましてや、不特定多数の人と性行為を行うことや、性風俗店で性行為のサービスを受けることは、性感染症にかかるリスクを高める行為であるといえるでしょう。

次に確実といわれる方法はコンドームを使って性行為を行うことです。ただし、コンドームを使ったとしても、性器のまわりから病原体がうつることがありますので、完全に防ぐことができるわけではありません。

また、多くの性感染症で、母子感染することが知られています。性感染症によっては、家族でタオルを共用することで、感染する場合もありますので、注意が必要です。

 

性感染症の検査をする方法

性行為をしたあとに性感染症かもしれないと思ったとき、どこで検査ができるのか、悩む場合は少なくないでしょう。病院など医療機関に行くにしても、どの科に行ったらよいのかわからないのではないでしょうか。

また、名前を名乗って医療機関で検査を受けるのに抵抗があったり、性行為のパートナーを医療機関に連れていくことが難しかったりということもありそうですね。

実は性感染症の検査は、必ずしも病院などで実名を名乗らないとできないわけではないのです。病院などで検査を受ける方法以外に、保健所で検査する方法、NPO法人が運営するイベントで検査する方法、検査キットにより検査する方法など、匿名や無料で検査を受ける方法もあります。

性感染症でもっとも避けたいのは、感染しているかもしれないのに、放置してしまうことです。自分の事情にあわせて検査方法を選んで、必ず検査を受けるようにしましょう。

 

病院など医療機関で検査する方法

男性の場合は泌尿器科や皮膚科、女性の場合は産婦人科で検査を受けることができます。性感染症の検査と治療を専門に行っている医療機関もありますので、最初からそのような医療機関を選ぶ方法もあります。

医療機関は診察している日時であれば、医師により必要と思われる性感染症の検査が受けられますので、自分でいろいろと調べたり悩んだりすることなく医師にゆだねられるのが利点といってよいでしょう。症状がある場合は医療保険が使えますが、医療保険を使う場合は匿名では受診することはできません。症状がない場合は全額自己負担となります。また、会社に通院先を知られたくないなどで医療保険を使わない場合にも、全額自己負担になります。全額自己負担であれば、匿名で検査と治療を受けることができる医療機関もあります。

医療機関では検査後すぐに必要な治療ができるため(HIV感染症の場合は専門の医療機関への紹介となる場合もある)、特に症状が出ている場合にはおすすめです。また、性行為の相手が性感染症にかかった場合には、自分に性感染症がうつっている可能性があるため、医療機関で相談するようにしましょう。

 

保健所で検査する方法

保健所では、HIV感染症や梅毒、性器クラミジア感染症、淋菌感染症の検査を、匿名かつ無料で受けることができます。ただし、検査日が限られていますので、検査は毎日できるわけではありません。1日に検査できる人数が限られる場合もあります。また、検査結果は再度面談に行かないと聞くことはできません。

治療が必要になった場合は、保健所では治療ができませんので、医療機関に行くことになります。

 

NPO法人で検査する方法

NPO法人が主催して、HIV感染症の検査を行うイベントを開くことがあります。たとえば、あるNPO法人では、市の委託を受けて、HIVの迅速検査(採血後15~40分で結果がわかる血液検査)を行っています。

匿名かつ無料で検査を受けることができますので、思い当たる性行為があった場合は活用したい検査方法といえます。

HIVは、感染して3か月までは感染していても陽性(「感染している」という結果)とならない場合がありますので、その期間をふまえて検査を受けるとよいでしょう。

また、通常のHIV検査では1000人中3人が本当の陽性であることが多いのですが、さらに1000人中3人は間違って陽性という結果が出ます。

それに対して、HIVの迅速検査では1000人中10人が間違って陽性という結果になりますので、陽性の結果が出ても本当に陽性かどうかは、さらに検査を受けてはじめてわかります。

陽性の結果が出て、治療が必要になった場合は、医療機関に行くようにします。

 

検査キットにより検査する方法

検査キットを取り寄せたのち、「自分で検査する方法」と、血液などをとって「郵送で検査を受ける方法」があります。いずれの場合も、「性感染症にかかっている」という結果が出た場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。

なぜなら、1種類の性感染症だけにかかるとは限らないためです。また、性感染症の種類によっては、たとえ薬を手にいれることができたとしても、自己判断で治療するのはリスクを高める行為といってよいでしょう。

特に最初は専門家に診断をしてもらい治療することをおすすめします。

 

自分で検査する方法

自分で検査する検査キットは、日本では販売が認められていませんので、使いたい場合は、外国で販売されているものを個人輸入で入手します。

HIV感染症、梅毒、B型肝炎は自分で人差し指から血液を採取して検査する方法、性器クラミジア感染症や淋菌感染症は女性では膣内から綿棒で検体をとり、男性では尿道に綿棒を挿入して検体をとり、検査する方法です。

自分で検査する方法の利点は、自分以外の人に知られずに検査結果を確認できることです。逆に欠点は、自分で検査するため手技に不慣れでうまく検体がとれない、検査キットに不具合があったなどで、「性感染症にかかっていない」という間違った検査結果が出て、治療が遅れる可能性があることです。

 

郵送で検査を受ける方法

まず検査キットを取り寄せます。検査キットが届いたら、自分で検体をとり郵送して、検査を受け、結果を待つことになります。

HIV感染症、梅毒、B型肝炎は血液をとって「ろ紙」にしみこませて郵送します。男性の場合は、尿を容器にとり郵送することで、性器クラミジア感染症、淋菌感染症、トリコモナス症の検査ができます。女性の場合は、性器クラミジア感染症、淋菌感染症は綿棒を膣に入れて子宮口をぬぐい、トリコモナス症は綿棒で膣分泌液をぬぐって容器に入れ郵送し、検査をしてもらいます。

検体さえ適切にとれれば、検査をするのは、国内の信頼できる機関ですので、検査結果自体は信頼できるといってよいでしょう。ただし、性感染症にかかっていたとしても、検査で陽性(「性感染症にかかっている」という結果)が出ない時期がありますので、思い当たる性行為があった場合には検査時期を見極めて検査をするようにします。念のため、再度検査をすることが必要になることもあります。

郵送の検査キットには、1種類の性感染症を検査するものや、「ブライダルセット」などという、複数の性感染症の検査キットが1つにまとまっているものもありますので、必要に応じて使い分けましょう。

 

性感染症のお悩み事例

性感染症の検査に関して悩んだ場合に、どのようにしたらよいのか、おさらいしてみましょう。

 

20歳台の女性 恋人と性行為後の悩み

【状況】

10日前にはじめての恋人とはじめて性行為をしました。3日前からに大小陰唇に小さな水ぶくれがいくつかでき、このようなことはいままでなかったため心配していたところ、つぶれてただれてしまい排尿時に痛みも感じるようになったため、産婦人科を受診しました。

【検査】

医師は問診と患部の視診により、性器ヘルペスであると診断しました。抗ウイルス薬を5日分処方し、再度受診するよう促しました。医師は症状がおさまっても、体の中にはヘルペスウイルスがいるため、症状があらわれたらすぐに受診するよう説明しました。また、疲れすぎないような生活を心がけることもすすめました。

 

30歳台の男性 性風俗店に行った後の悩み

【状況】

1週間前に友人たちと会食したのち、酔った勢いで性風俗店に行きました。2日前に、性風俗店に一緒に行った友人から、性器がかゆくなったという話を聞かされて、自分も何かにかかったかもしれないとだんだん不安になってきました。

【検査】

性病科の窓口に行き相談したところ、何も症状があらわれていないため、医療機関で検査するには全額自己負担になるとわかりました。全額自己負担の場合、複数の性感染症を調べようとすると、1種類あたり5000円はかかりますが、保健所であれば無料の検査があることを教えてもらいました。

保健所でHIV感染症の検査を受けると、他のいくつかの性感染症の検査もできることがわかりましたので、次々月の予約をして検査に行くことにしました。予約した日に、HIV感染症、梅毒、性器クラミジア感染症、淋菌感染症の検査を受け、別の日に検査結果を聞きにいくことにしました。

検査結果を聞きにいくと、これらの性感染症についてはかかっているという結果は出なかったけれども、HIV感染症については、性行為から3か月後にもう一度検査をしたほうがよいと説明されました。

保健所ではまた2か月先の検査になると悩んでいたところ、ちょうど自宅に近い駅の近くで、次月にNPO法人がHIV感染症の検査を無料で行うイベントがあることがわかったため、念のため、そこで再度、検査を受けることにしました。

NPO法人のイベントでは、匿名かつ無料で検査を受けることができ、HIV感染症にかかっていないという結果がわかりました。性風俗店に行った日から3か月以上たっており、その後、目立った症状もあらわれていないため、性感染症にかかっているのではないかという不安を打ち消すことができました。

 

30歳台の男性 結婚前の悩み

【状況】

3か月後に結婚を控えていますが、結婚相手と話をする中で、性感染症のブライダルチェックというものがあることを知りました。すでに結婚相手とは性行為をしていましたが、性感染症の中には、母子感染をするものがあるため、結婚相手とともに性感染症のチェックをしたほうがよいという結論になりました。

【検査方法】

結婚相手と相談し、医療機関を受診しても全額自己負担になるため、結婚前の多忙時に会社を休まなくもよいよう、郵送で検査する方法で性感染症のブライダルチェックをすることにしました。

まずは郵送で検査キット(男女ペア用)を取り寄せました。検査キットをあけると、HIVをはじめ8種類の性感染症と女性用に子宮頸がんに関連するヒトパピローマウイルスの検査ができることがわかりました。血液、男性の尿、女性の膣分泌物をとり、郵送で送付しました。

検査結果はWEBサイトの専用画面で確認でき、二人とも特に性感染症にはかかっていないことが確認できました。

 

参考文献

1)性行為感染症について(ファクトシート)(厚生労働省検疫所)

(http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2016/08161310.html)

2)性感染症 診断・治療ガイドライン2016(日本性感染症学会)

3)性感染症報告数(厚生労働省)

(http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html)

4)平成 27(2015)年エイズ発生動向―概要―(厚生労働省エイズ動向委員会)

(http://api-net.jfap.or.jp/status/2015/15nenpo/h27gaiyo.pdf)

5)世界人口予測(国際連合)

(https://esa.un.org/unpd/wpp/Download/Standard/Population/)

6)UNAIDS(ファクトシート)(国連合同エイズ計画)

(http://www.unaids.org/sites/default/files/media_asset/UNAIDS_FactSheet_en.pdf)

7)FORTH海外で健康に過ごすために(厚生労働省検疫所)

(http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name66.html)