主要なED治療薬:バイアグラ・レビトラ・シアリスの効果や作用順序を薬剤師が解説

現在、日本で販売されているED治療薬は「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」、この三種類です。

これらの化学構造式はバイアグラとレビトラがほぼ類似しており、シアリスは他の2医薬品とは異なります。

しかし、EDの改善の仕方は3医薬品とも同じでPDE5という酵素を阻害する作用機序で行われます。

PDE5阻害の詳細は過去記事にあります。

とはいえ、化学構造式の違いから、それぞれ、違った特性があります。

どれが自分に合うかということですが、これらの医薬品は何れも医師の処方せんを必要とするため、使用する医薬品を自分で決めることはできません。

それでも病院を受診する前に3医薬品の違いを把握しておくと、医師の説明がよりわかりやすくなり、医師からの質問にも的確に答えることができるようになります。

3医薬品の特徴をつかんで賢くなってから、病院に行きましょう。

 

3医薬品の成分名(一般名)

バイアグラ:シルデナフィルクエン酸塩(分子式:C22H30N6O4S・C6H8O7)

※規格:バイアグラ25mg 50mg  バイアグラOD25mg 50mg(バイアグラODは水なしで飲用可)

 

レビトラ:バルデナフィル塩酸塩水和物(分子式:C23H32N6O4S・HCl・3H2O)

※規格;レビトラ5mg  10mg 20mg

 

シアリス:タダラフィル(分子式:C22H19N3O4)

※規格:シアリス5mg  10mg 20mg

 

バイアグラとレビトラの分子式を比較してみると、後ろのほうは違いますが、前半はCやHの数が少しだけ違うだけで、後は同じです。

シアリスは先の2医薬品とは全く異なっています。作用機序は同じなんですけどね。精力剤とは違い、強制的に勃起させる点が特徴です。

 

3医薬品の食事の影響について

3医薬品の添付文書によると、そろって、性行為の約一時間前に飲むように指示しています。

しかし、効果の出現は化学構造式の違いのため、若干、差異があるようです。

 

バイアグラ

通常は添付文書によれば、バイアグラ25 mgを1~2錠、または バイアグラ50mgを1錠、性行為の一時間前に飲むのが標準と記載されています(次回服用までに24時間、あけること)

食事の影響は明らかにあり、食後に飲むと、空腹時に飲む場合と比べて吸収速度が遅くなり、血中濃度が最高になる時間も遅延するという、明らかに違いが生じています。

そのため、専門医は患者さんの状態によっては空腹時も「飲用可」と指導しているところも少なくありません。

 

レビトラ

通常は添付文書によれば、レビトラ5mgを2錠か、レビトラ10mgを性行為の一時間前に飲むのが標準です。(次回服用までに24時間、あけること)

標準的な食事であれば、食前も食後も最高血中濃度などの数値に差異はみられませんでした。

従って、食事の影響は受けないと、添付文書には記載されているところがバイアグラとは異なっています。

ただし、標準的な食事とは例えば一日2100kcalの食事のうち、脂肪分が約3割(630kcal)程度の食事とわざわざ、記載されていることを考えると、脂肪分の多い食事は効果出現までの時間が延びると考えることがきます。

こちらも専門医は患者さんによって、それぞれに異なった指導法を行っていると考えられますね。

 

シアリス

通常は添付文書によれば、シアリス10mgを性行為一時間前に飲むのが標準です。(次回服用までに24時間、あけること)

シアリスもレビトラ同様に空腹時でも食後に飲む場合でも血中濃度の変化は見られませんでした。

 

ただ特筆したいことはレビトラは脂肪分が約3割程度の脂肪を含んだ食事と、ある程度、脂肪食の制限をする必要があるように記載されています。

しかし、シアリスは「高脂肪食」を摂った後と摂る前において血中濃度の変化は見られなかったとしています。それでも食べ過ぎた後の運動は苦しいように、色んな不都合がおきますので、シアリスを飲むときも食べ過ぎには注意したほうがいいのは当然のことです。

 

3医薬品の効果の出現

効果のタイミング
  • バイアグラ50mgを一回飲んだ場合:0,9時間で最高血中濃度になり、この血中濃度が半分になる時間は3.23~3.31時間です。
  • レビトラ10mgを一回飲んだ場合:0,75時間で最高血中濃度になり、この血中濃度が半分になる時間は3.2~5.3時間です。
  • シアリス10㎎を一回飲んだ場合、3時間で最高血中濃度になり、この血中濃度が半分になる時間は14~15時間です。

 

3医薬品の効果出現、持続時間の比較

上記の表示をみていただくとお分かりいただけると思います。

最高血中濃度に達する時間がレビトラ<バイアグラ<シアリスの順に長くなっています。ということはレビトラが一番早く効果が出現、シアリスが一番、遅いということになります。

次に、効果がどれだけ続くかということですが……

それぞれの薬の最高血中濃度が半分に下がるまでの時間を比べるとよくわかります。半分に下がるまでの時間が長いほど、効果持続時間も長いということになります。

従って、バイアグラ<レビトラ<シアリスの順で持続時間が長くなっています。

ということはバイアグラは他の2医薬品と比べて効果は高いけれど、あまり持続しないということになります。

逆にシアリスはバイアグラよりは効果の立ち上がりは穏やかですが半分の血中濃度になるのに15時間近くもかかっているので、バイアグラよりは持続します。

 

あくまでも数字は数字 人によって反応は異なる

鎮痛剤とか胃腸薬などでも添付文書どおりにいかないことも少なくないのですが、ED治療薬の効果は、そのときの状況、自身の心理状態、体調などで変わります。ましてや、そこに食事の影響もあります。

楽しさ、嬉しさのあまり思わず、食べ過ぎてしまったということもあります。

また、理論上は例えば、レビトラがいいとしても、理論上にはいかないことが多々、あります。

それらは飲んだら、自身の意志に関わらず、勃起するのではなく、必ず性的刺激を受けなければいけません。薬の効果に自身が感じた性的刺激や性機能の能力などが合わさった状態で効果があるものので、効果出現が遅いといわれるシアリスで早く効果出現することもあるわけです。

もっと言えば、ED治療薬を飲んだけれど、もしかしたら必要なかったかもしれないことだって考えられます。

臨床データというものは安全性や副作用などを認知するために非常に重要ではあるのですが、あまり振り回されることないように主治医のこれまでの診察、観察経験に頼ってED改善をめざすのが一番、効果があるのではないでしょうか?

 

参照URL:医療用医薬品レビトラ

http://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053147

参照URL:医療用医薬品シアリス

http://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053585

参照URL:医療用医薬品「バイアグラ」

http://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066489

 

3医薬品の作用機序

3医薬品とも作用機序は同じです。過去記事あり

 

糖尿病性EDに対する効果

レビトラの添付文書にはレビトラ10mg、レビトラ20mgで糖尿病性EDの改善がはっきりと見られました。

また、10mgと20mgの成分量の差でも、効果の違いがはっきりと出現いたしました。

 

高齢者(65歳以上)の場合

シアリスは腎機能や肝機能などの生理機能が低下しているため、慎重な服用を必要とします。

バイアグラやレビトラは低用量から始め、様子をみることが重要です。

 

3医薬品と併用するときに注意が必要、または併用は禁忌になっている薬

作用機序が3医薬品とも共通していることもあって、ニトログリセリン製剤との併用はどれも禁忌です。

ニトログリセリン製剤とは血管を拡げる作用があり、3医薬品の作用機序と重なる部分があるため。血圧が必要以上に下がる恐れがあります。

バイアグラはアミオダロン塩酸塩(アンカロン100)とは併用できません。理由は以下の記事にまとめています。

併用注意の薬については結構あります。

ご自分でお知りになりたい方は先にご紹介したURLの添付文書をごらんください。

 

不明なことは薬剤師を活用して

添付文書は非常に読みづらいと思われますので、皆さんにお薬を渡した薬剤師にお尋ねください。

処方せんに併用注意、不可の薬画あった場合、薬剤師は医師に問い合わせをします。

そのため。薬のことは薬剤師にお尋ねになるのが、一番わかりやすいと思います。

従って、あまりおすすめできないことですが、個人輸入などで入手した場合は主治医に相談しづらかったら、どこの調剤薬局でもいいから、薬剤師にお尋ねください。

すぐにわからなければ、調べる方法も製薬会社に直に聞くなどして対処いたします。

 

まとめ

この記事のまとめ
  • バイアグラ・レビトラ・シアリスのそれぞれの特徴と比較
  • 非常にデリケートなぶんやであり、理論の作用機序とは違う効果が出ることも珍しくない
  • 併用不可、併用禁忌の医薬品がある。詳細は薬を渡す薬剤師が説明。あるいは、不明点があれば。質問もして!

最初、バイアグラだけだったのが、3種類になりました。それぞれ、同じ部分と違う部分があります。だから、以前のようにバイアグラで効果がなければ、諦めるしかなかったのが、選択肢が増えました。

安全に使うためにも、個人輸ではなく、日本の病院でいただくようにしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です